ジンの聖地・ロンドンにて3日間にわたって開催!
BEEFEATER MIXLDN 2014
1月12日-14日の3日間にかけて、今回で第4回目となるビーフィーターグローバルコンペティション・BEEFEATER MIXLDN2014が開催された。
第4回目となる今回はビーフィーターのルーツである「ロンドン」をテーマに開催。世界30カ国のバーテンダーが「ロンドン」にインスパイアされた個性的、独創的なカクテルで競い合った。
日本からはBar MASQ(銀座)の大竹直哉氏が出場。ロンドンと日本で馴染みがあり、ビーフィーター24にも使用されている「お茶」を使用した繊細かつ華やかなカクテルで勝負に挑んだ。
DAY1
ヨーロッパ各国に加え、ニュージーランドやキューバ、韓国に日本と世界30カ国のバーテンダーが集合。
初日はロンドンバスで移動し、ビーフィーター蒸溜所へ。ビーフィーター24を使用したウェルカムカクテルが振舞われ、リラックスした雰囲気の中で開会宣言。
その後、蒸溜所を回りながら、マスターディスティラーのDesmond氏より直々にビーフィーター・ビーフィーター24のつくりのこだわりをレクチャー。
蒸溜所見学の後は、ロンドン塔近くのレストランで各国バーテンダーと交流、ロンドン塔儀式の見学や、ヨーマンバーも楽しみながら交流を深める夜となった。
DAY2
いよいよ本選スタートの2日目。会場はロンドン・ブリッジからほど近い、ギャラリースペース47/49。レンガ造り・3階建ての味のある会場。
午前は「Food experience」というプログラムを実施。最先端のイノベーティブな料理を学んだ後、フードに合う即興カクテル創作の競技が行われた。大竹氏はビーフィーター24に金柑を使用した繊細なカクテルを提供。
午後からはいよいよ本格的なカクテル創作競技へ。カクテル撮影、インタビュー、実技の撮影と息つく間もない審査が続く。バーテンダー達はそれぞれ趣向を凝らしたカクテルで勝負に挑み、あっという間の2日目が終了した。
DAY3
ファイナリスト発表前で緊張が続くバーテンダーに3日目の朝はサプライズ体験からはじまった。テムズ川をスピードボートでクルーズ!緊張がほぐれるおもてなしの後、再び会場へ。
会場に着くと、最後のプログラムとしてバー「White Lyan」のMr.ライアンからのバーセミナー、マスターディスティラー・Desmond氏からのボタニカルセミナーが開かれた。その後、最後の審査、ブラインドテストへ。ボタニカル浸漬酒が用意されており、香りの強さや、ボタニカルの種類を答えるという難易度の高いテスト。バーテンダーたちは真剣な面持ちでチャレンジしていた。
そしてランチの後、いよいよファイナリスト発表へ。ファイナリストは8名が選出され、夜のファイナルプレゼンテーションへ。ファイナルプレゼンテーションはパーティー形式で行われた。
パーティーに招待されたお客様がそれぞれのブースでカクテルを楽しみながらお気に入りのカクテルに投票。ファイナリスト達はそれぞれのブースで最高のプレゼンテーションでお客様をおもてなし。
そして、チャンピオン発表の瞬間へ・・・。
2014年チャンピオンは・・・USAのBrandon Phillips氏に決定!ポップコーンフレーバーがきいた個性的なカクテルに人気が集まった。パーティーの後はバーテンダー同士、健闘を讃えあい、ロンドンの夜は更けていった。
Brandon Phillips氏作「Hackney Handshake」レシピ
- Beefeater24
- 60ml
- Lustau Manzanilla Sherry
- 15ml
- Fresh lemon juice
- 25ml
- Movie Night Syrup (made with Movie Night Tea from David’s Tea)
- 30ml
- Egg white soda Juniper dusted popcorn (Garnish)
Phillips commented:
「このたび、Beefeater MIXLDN賞を受賞することが出来、大変興奮しております。これまで挑戦した数々のコンテストの中で、一番のチャレンジでしたが最も価値ある賞を頂くことができました。
ビーフィーターは究極のドライジンであり、その伝統ある歴史を受け継ぐ誕生の地ロンドンで、Beefeater MIXLDN賞を受賞できたことは、私のキャリアの中で比類のない経験と輝かしい出来事となりました。アメリカに戻って、またビーフィーターのカクテルを作り続けることが楽しみです。」
今回の大会に参加して
大竹 直哉氏 プロフィール
BAR MASQ チーフバーテンダー
カクテルコンペでの入賞経験をいかし、2014ビーフィーター日本代表へ。
2013・2014年は2年連続アジアベストリーシェフ ジャニス・ウォンの招待によりシンガポールの彼女のお店2am clessert bar, 2am lab でデザートとカクテルのコラボレーションイベントを行うなど活躍の場を広げている。
今回の大会に参加し率直に感じたことは、“バランス”という概念が日本人とは違うのでは?と言う事です。ベースのお酒と甘酸味や苦味等が“渾然一体”となりどの要素も“突出していないバランス”を良しとする日本のカクテルに対し海外のバーテンダーの作るカクテルは、アルコール感、甘さ、酸味、苦味等の何れかの要素の“主張が強くはっきりとしている”という印象を受けました。決してバランスがとれていない、大味という訳ではなく、一口、二口と飲み進めてじわじわと美味しさを感じる“奥ゆかしさ”ではなく伝えたい事を最初の一口でしっかりと伝える“主張の強さや勢い”を感じる物が多かったように思います。
プレゼンテーションにもその気質が表れていて、海外のバーテンダーは自己表現が非常に上手く、個人のアピール、アイデンティティに上手く遊び心を足していて非常に勉強になる物でした。考え方を変え世界から見るとそれが“GLOBAL STANDARD”世界基準の味覚で、“JAPANESE STANDARD”としての日本人の味覚やバーテンディングは独自の発展をしてきたのだなと改めて感じました。
今や日本のバーテンディングは世界から注目され、世界一優秀なバーテンダーが多い国とすら言われるまでに発展してきました。逆を返せば日本人の気質、技術、奥ゆかしさが世界でも十分に通じるという事の証とも言えるでしょう。それを踏まえ日本独自の感性を残しつつ、海外のバーテンダーや飲み手の方の懐の深さを学ぶ事で日本のバーシーンが更に活性化し、いつかこの大会で日本人優勝者が生まれることを切に願います。
世界大会という最高の大舞台から見た景色はそこに立った者にしか見えない最高の景色で私のバーテンダー人生に最高の刺激とこれからの道のりの確固たる指針をしめしてくれました。創造性、技術、プレゼンテーション、瞬発力、ありとあらゆるバーテンダーに必要な能力、総合力が求められます。世界大会は非常にタフな大会です。一緒に戦った海外のバーテンダーも非常に若く元気があります(笑)これからを担う日本の若い方たちも一歩踏み出し世界の舞台に挑戦してほしい。只、日本大会は世界から見ても非常に高いレベルに在ると思います。まずは世界を見据える前に全身全霊で日本大会に挑戦して欲しいと思います。